武内義雄「支那思想史」第18章 道教の成立
そこで私は、道教は最初張陵から張魯に至る符呪祈祷の俗信から起って、次に葛玄の神仙養生術を取り入れ、又次に魏晋の際一世を風靡した老荘の哲学を牢籠し、最後に仏教の教理で修飾して出来上がった宗教だと結論する。そうしてその発達は後漢末から六朝末に至る約三百年の間に成就されたのである。
道教発達の歴史から考えると、其主張する所が果たして老子に関係あるか否かは疑問である。然しすでに完成した後の道学者は、彼らが老子を祖述していると称している。
- 作者:武内 義雄
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- 発売日: 1957/09/28
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