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【寝言】学士会報 960 号 2023-III

現代新儒家

増長する支那の最近の時世に鑑みてか、支那問題関連の記事がいくつか出ていました。

その中に現代新儒家という記事があったのですが、康有為の孔子教が出てこないのでがっかりしましたw

ただ現代新儒家の第一の儒教国家論が「春秋公羊学に則って、直面する課題を解決するために適当なものを引っ張ってきて組み立てているに過ぎない」との評が紹介されてあって、まさに康有為の孔子教を受け継ぐものと思われます。

現代新儒家の第二は儒教国教化論で、共産党を儒化して儒士共同体に、マルクス・レーニン主義を孔孟の道に置き換え、そして儒教を国教とするというもので、これまた孔子教の精神を受け継いでいると言えるかもしれません。

また現代新儒家の第三は儒教公民宗教論だそうで、精神的崇高さや高邁さの足りなさを自覚したもののように思えます。

なお孔子教に関しては、武内義雄の「西塾偶談」の(二十八)に簡単に系統がまとめてあります。また服部宇之吉に『孔子孔子教』『孔子大義』の著書があります。また、新儒家第一世代の熊十力に『新唯識論』があるようですが、武内義雄の「江南汲古」十三 脣歯輔車の章を読むと玄奘三蔵の伝え記した成唯識論十巻は支那では元末には滅びて明治期になってから日本に残っていたものが伝えられたそうです。