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しょうもない読書

先日、ネット書店のポイントが当日で失効するというので、慌てて本を探したものの読みたいものとてなく、特別安売りの地政学本を電子書籍で買ってみました。

アマゾンだと、これ。


無知性学といった感じの地政学の本です。最初の1/3位のイントロは、酒家で酔っ払いのおっさんから聞かされるような地政学談義で、ようやくはじまった本編には地政学は出てこず、昔懐かしい人口ピラミッドに基づく人口動態学の議論を延々するというずっこけぶりです。

昔の人口動態学では、食料不足による飢餓と貧困が悪の元凶になっていましたが、この本では引退者への福祉支出が悪の元凶になっていて、高齢化の進む世界各国に対してアメリカが有利という結論になっていました。

老人早死にで子だくさんの途上国はどうなんだと聞きたくなりますが、著者によれば資本蓄積がないので問題外ということで、この辺は昔風です。また、未成年の教育も支出だけで生産力がないので、初等教育は移民輸出国に任せておくのがいいともあって、基本近代以前の子供と老人はごく潰しという視点が貫かれていて、微笑ましいものでした。

注目点としては、シェールガスでエネルギー自給可能で、産業競争力も高くなるので、もはやアラブ産油国の供給路や国際商取引の安全を保障する必要もないし、海外から手を引くのは既定路線と言った背景意見があります。

モンロー主義による鎖国待ったなしです。