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現代の神話

少し前にネット発のベストセラーとして話題になっていたので Cory O'Brien 著 "Zeus Grants Stupid Wishes: A No-Bullshit Guide to World Mythology" を読んだのですが、そこそこ面白い下品な本でしたw 日本の神話では乞食に混じって、タヌキ話が玉袋が千畳敷であることから堂々紹介されていました。タヌキの玉袋でネットで画像検索しろと丁寧な注釈もありました。

しかし一番興味深かったのは、アメリカ人である著者が、近代アメリカの神話紹介と称して Paul Bunyan とか名前は聞くが、民間のほら話のようなものを世界各国の神話と並べて紹介しているところでした。

ジョン・ウェイン主演の映画でおなじみ、ヘラクレス伝説ばりの「♪たった三つで熊退治」の Davy Crockett も登場しています。トランプ大統領候補の大躍進も、後に背負った神話によるところが大きい気がします。またトム・クルーズで有名なサイエントロジーも出てきます。



この現代アメリカの神話の部分は好評だったのか、同じ著者で "George Washington Is Cash Money: A No-Bullshit Guide to the United Myths of America" という続編が出ているようです。機会があれば読んでみたいと思います。目次を見ると、"Conclusion: A Myth in Progress" とあって、今現在も神話が生まれ続けているという、とても重要かつもっともな結論を導いているようです。


日本のオタク界を見ても、ふたなり、でぶおっぱい(複数)、おねショタ等々、豊穣の神話的モチーフが、過去の神話とは独立に、活火山のように生まれ出ているのを見ても、神話は現代においてもまだ活発に生きて生み出されていると信じます。