AMD、ROCm 6.3を発表
AMD Fortranコンパイラが切り開くGPUアクセラレーションの新境地
ROCm 6.3で提供されるAMD Fortranコンパイラは、長年活用されてきたFortranコードをGPUアクセラレーションに適応させるための画期的なツールである。従来のコード資産をそのまま利用しつつ、AMD Instinct GPUの性能を引き出す設計が特徴で、レガシーコードを抱える研究機関や産業界にとって大きなメリットとなる。
特筆すべきは、後方互換性の確保である。既存のFortranコードをほとんど改変することなく、最新のGPU技術を利用可能にすることで、開発者の負担を軽減しながら高性能なシステムを構築できる。このアプローチは、特にHPCを活用する科学技術分野や金融モデリングにおいて、時間とコストの削減に寄与するだろう。
一方で、Fortranの利用者層が限られる中で、この技術が広く普及するにはさらなる啓発が求められる可能性がある。とはいえ、AMDのこうした柔軟なツール提供は、競合他社との差別化にもつながる重要な戦略と言える。
ドキュメンテーションをチラ見したところ、Windows でも使え、CPU 内蔵型 GPU でも使えるようです。
OpenMP を利用した offload による GPU 利用のようです。
米政府がスパコンにおける Nvidia の CUDA の様なベンダー依存を嫌って、なんらかの標準化を求めた結果 Intel、AMD は OpenMP の道を選び Nvidia は do concurrent の様な標準文法内の対応を選んだのではないかと邪推しております。