fortran66のブログ

fortran について書きます。

物理雑誌の『パリティ』に、1991年2月号から9月号までフォートラン入門の記事がありました。時代的にまだFORTRAN77の内容ですが、短いプログラムで面白いテーマを扱っている連載でした。

その中から水素原子に対するシュレディンガー方程式を数値的に解く問題をやってみます。
元記事には細部にいくつか誤りがありますが適宜修正しつつ、Fortran90とuhoplot用に書き直しました。

グラフにするのは動径波動関数R_{nl}(r)ですが、プログラム中で解くのはP_{nl}(r)\equiv rR_{nl}(r)です。P_{nl}(r)で書いたほうが微分方程式が簡単になるからです*1

今、水素原子のポテンシャルは球対称なので、シュレディンガー方程式\{-{\hbar^2\over 2m}\nabla^2+V(r)\}\Psi=E\Psiの解は、角度方向を変数分離できます。微分方程式は動径方向のみのものとなり、原子単位系を用いて単位の変換を行うと、{d^2P(r)\over dr^2}=\{2[V(r)-E]+{l(l+1)\over r^2}\}P(r)と簡単化されます。ここでポテンシャルV(r)=-{1\over r}です。

*1:元のプログラムではこの辺が本文とプログラムで混乱しています。