fortran66のブログ

fortran について書きます。

Fortran ニュース および【寝言】

The new features of Fortran 2018

だいぶ前ですが、John Reid の 「The new features of Fortran 2018」の最新版が出ています。
ぱっと見、今までのものの微修正の模様です。

第5章にこまごまと新しい項目が増えた気がします。
「5 Features that address deficiencies and discrepancies」

wg5-fortran.org
12 January 2018
New Documents
N2145 Summary of Fortran 2018 (Reid)
https://isotc.iso.org/livelink/livelink?func=ll&objId=19441669&objAction=Open&viewType=1

以下寝言コーナー

HDD死亡

許すまじ Western Digital そんな酷使しなかったのに・・・

「語るボルヘス

書籍化された講演録は割と面白いものが多いでの買ってみました。探偵小説の項目で、探偵小説が、探偵小説読者の読み方を発明したという説が面白かったです。滑稽小説家のジェームズ・サーバーの短編「マクベス殺人事件」に出てくる無教養な頑固婆さんが思い出されます。

市川春子作品集 1,2

アニメ「宝石の国」が面白かったので、買ってみました。絵柄はガロ風ながら、ちゃんと筋書きのある話になっています。

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

時折見せるユーモアセンスが良かったのですが、人体欠損と年長者が年少者を食い物にするようなモラルの低さが目立っていたように感じました。

登場人物の世界観が狭いというか、全てが自分の最隣接の人間関係で情緒的に解釈・理解されていて、俯瞰性・客観性が無いために、思考が短絡的で行為の道徳性が低いと思われます。

基本的に一つの話を書き続けるタイプの作家のようです。

佐藤優ファシズムの正体」

粗製乱造感のある佐藤優氏ですが、しばらくぶりに買ってみました。目の付け所はいいと思いましたが、全体としてはイマイチでしたw


序文で新・帝国主義たるグローバル資本主義に対抗する解として、1.帝国主義のさらなる強化、2.共産革命、3.ファシズムを打ち出して、このうち1の強化は衝突からの戦争を引き起こすし、2は失敗なので、今後先進国は1の帝国主義と3のファシズムを混ぜた体制になると言い、福祉国家ファシズムと相性がいいと続けてくるので、なかなか小気味いい出だしです。
 そして、ファシズム理解のために創始者たる首領ムッソリーニ理解から始めようというので、期待も膨らみます。

しかし、ムッソリーニ理解に関しては戦前の日本の社会学者の記述を元に進めるので、その思想がムッソリーニ本来のものか、記述者の理解のものかの区別がつきません。とくに、ムッソリーニファシズムの中心思想が、中庸にあるが如く「天地の化育に参画する」的なことを言い出すので、戦前の儒学的教養のたまものかも知れず、読んでいる側としては何とも言えず窮します。

もともとイタリアは共和制ローマの時代から、地方名望家が土地の者の面倒を見る形で地方自治がなされて、その形態が現代のシチリアマフィアなどにも残っていると言われているので、その流れでファシズム的福祉制度にも結び付いたように思えます。

本書の結論では、個人と国家の間に中間共同体をおいて、そこへの帰属によって、自由・理性・合理を重んじる暴力的グローバル主義から精神的・経済的に庇護さるべしと言っているようです。反理性的な情緒豊かな共同体というヒッピー的・ヤクザ的なことを言い出すので、ちょっと期待外れな結論です。

そもそも、ルール・チェンジャーである英米アングロサクソン国家主義に舵を切ったのですから、さっさとその流れに乗るのが正解でしょう。戦前のグローバル経済でルール破りの朝鮮米の飢餓輸出などで内地が疲弊したわけで、今と変わらない。戦後の方が、物価は上がったが内地は潤ったわけだし。

金科玉条のごとく自由貿易を崇め奉って守ろうとする理由が分からない。単に自分らに得ならのればいいし、損なら止めればいい程度のものに過ぎないはずなのですが。
 
さてムッソリーニと言えば、イタリア未来派運動だろうと思われますが、ちゃんと出てきて宮崎駿の反理性的な活物傾向と結び付けられて話は脱線してゆきます。ベルグソン生の哲学です。

話はさらに脱線して「クーデターの技術」という本の話が始まります。最近話題のルトワックの「クーデター入門」が思い起こされて、同時期に復刊とはどうしたことかと思われます。たぶん、次にまた民主党みたいなのが政権をとったらクーデターしかないなと皆思っている現れでしょうw

クーデターの技術 (中公選書)

クーデターの技術 (中公選書)

クーデターの技術 (1971年)

クーデターの技術 (1971年)

クーデター入門―その攻防の技術 (1970年)

クーデター入門―その攻防の技術 (1970年)

ルトワックの“クーデター入門

ルトワックの“クーデター入門"

奇妙なのは、非理性的な排外主義や精神主義を否定している下りです。今の中共および南北朝鮮は、政権の正統性がほとんどなく、非常にもろく弱い政権になっており、政権の自己正当化のために、滑稽至極な抗日神話を作り上げようと汲々として、政府が反日排外民族主義を煽っているわけですが、そこには全く批判の目を向けず、ありしない日本の反中嫌韓などを非難しているところです。まぁ取りあえず、こう書いておくと出版上色々便利だからかもしれません。

そもそも中国と韓国を同列に並べることで、中国を侮辱しているのですが、その辺も笑いどころかと思います。