Littlewood Lemma VI.
ゴミ捨ての時に、D. E. Littlewood, The Theory of Group Characters and Matrix Representations of Groups の積分を計算したノートが出てきたのですが、その中の式のひとつ(§11.7 Lemma VI.)で係数が2だけ合わなくて気になっていたのがありました。
ほぼ同等のLemma IV.,V. が再現できているので、たぶん本文の誤りだろうと思っていたのですが、暇つぶしに数値で確かめてみました。ついでに、別手法の手計算でも再確認してみました。
The Theory of Group Characters and Matrix Representations of Groups (AMS Chelsea Publishing)
- 作者: Dudley E. Littlewood
- 出版社/メーカー: Chelsea Pub Co
- 発売日: 2006/03/21
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログを見る
数値積分
素朴に式通りに台形積分で計算します。ファクターのチェックが目的なので、特定の x, y 値に対して数値積分して理論値と大きさが比較できればいいです。
以下の式の左右両辺を計算します。Littlewood の本では右辺の係数 2 が抜けていると思われます。
但し
プログラム
ついでなので、Richardson 補外でシンプソン積分相当の値も出しておきました。いくつか計算して見たところ、x, y が 1.0 に近いほど収束が悪くなります。特異点があるのでもっともな感じがします。
module m_mod implicit none contains real pure elemental function g(x, t) real, intent(in) :: x, t g = 1.0 - 2.0 * x * cos(t) + x**2 end function g real pure elemental function f(x, y, t) real, intent(in) :: x, y, t f = (1.0 - cos(t)) / (g(x, t) * g(y, t)) end function f end module m_mod program test use m_mod implicit none integer, parameter :: n = 2**8 real, parameter :: pi = 4 * atan(1.0) real :: x, y, s1, s2, w(0:n), t(0:n) forall(integer:: i = 0:n) t(i) = 2 * pi * i / n x = 0.7 y = 0.8 w = f(x, y, t) s1 = w(0) / 2 + sum(w(1:n-1)) + w(n) / 2 s1 = s1 * 2 * pi / n s2 = w(0) / 2 + sum(w(2:n-2:2)) + w(n) / 2 s2 = s2 * 4 * pi / n print *, (4*s2 - s1) /3, s1, s2 ! Richardson extrapolation print *, f2(x, y) contains real function f2(x, y) real :: x, y f2 = 2 * pi / ( (1 + x) * (1 + y) * (1 - x * y) ) end function f2 end program test
実行結果
x=0.7, y=0.8 の時、係数2をつけて両辺一致。
4.666655 4.666656 4.666655 4.666656 続行するには何かキーを押してください . . .
Modern Fortran Explained (Numerical Mathematics and Scientific Computation)
- 作者: Michael Metcalf,John Reid,Malcolm Cohen
- 出版社/メーカー: Oxford University Press, U.S.A.
- 発売日: 2011/05/08
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
複素積分(留数計算)
Littelewood は、より簡単な Lemma IV. を留数積分で解いて、Lemma V.,VI. は以下同様と済ませているので、同様に解いたのをメモっておきます。
留数解析―留数による定積分と級数の計算 (数学ワンポイント双書 28)
- 作者: 一松信
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 1979/08/15
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
実積分 より
力づくで実関数の積分で解くこともできます。
と変数変換する。この時、 となるので、
部分分数に展開することにして、
の関係式を解くと、より
となる。
これから元の積分は、
- 作者: Paul J. Nahin
- 出版社/メーカー: Springer
- 発売日: 2014/08/27
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る