並列Fortranに関するシンポジウムのご案内 - HPF Promoting Consortium
並列Fortranに関するシンポジウムのご案内
「並列Fortranの現状と展望」
~Fortranは絶滅危惧種なのか?~<開催趣旨>
HPF推進協議会は,並列Fortranを推進すべく,HPFの入門書「PCクラスタで並列プログラミング」の出版を含んだ活動を続けてきましたが,最近の状況を鑑みると,並列FortranというよりFortranそのものの将来が危惧される事態に直面していると感じています.まさに,Fortranは絶滅危惧種の仲間入りを果たそうとしているのではないかという危機感を覚えます.
実際,多くの大学ではFortranを教えませんし,そもそもプログラミング自体を教えないことも多いです.このままでは,Fortran文化が廃れてしまい,膨大なFortranのプログラム財産は,誰にも使われない遺産とならざるを得ません.しかし,HPF推進協議会は,科学技術計算には,今でもFortranの優位性は揺るぎなく,Fortran文化を継承すべきだと考えています.
一方で,Fortran規格の改訂を受けもつISOのFortranワーキンググループでは,Fortranにオブジェクト指向や型の抽象化などの近代的なプログラミングパラダイムを取り入れようとする動きが続いており,また,Coarrayなどの並列化機能を標準の規格にしようとする動きも進行しており,実際にFortran2008では,一部のCoarray機能が取り入れられました.しかし,これらが実用的な意味で今後の科学技術計算にどの程度役に立つのかは,まだ議論の余地が残るところです.
そこで,Fortranの置かれている現状を明らかにして,Fortranユーザの将来に対する要望やベンダの将来展望を聞き,これからのFortranについて意見交換ができればと考え,このイベントを企画しました.
そして,Fortran文化を守るための明確な方針やその活動の意義が示されれば,HPF推進協議会としては,それを目標に掲げて,活動を続けていきたいと考えています.
<日程、場所>日時: 2015年8月18日(火) 10:30 - 17:45
場所: 理化学研究所 計算科学研究機構 セミナー室(兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-26)
アクセス: http://www.aics.riken.jp/jp/map/
10:00 - 10:20 「京」見学(希望者のみ)
10:30 - 10:40 開会
10:40 - 11:00 並列Fortranの歴史と現状
理化学研究所計算科学研究機構/
富士通(株)次世代TC開発本部言語開発統括部
岩下英俊
11:00 - 12:00 Fortran規格の歴史
江戸川大学メディアコミュニケーション学部情報文化学科・教授
高田正之
<講演概要>
1985年から情報処理学会 情報規格調査会 SC22/Fortran WGの委員を務め,1990年以降は対応国際会議である ISO/IEC JTC1/SC22/WG5 にも出席している立場から,Fortran の国際・国内での標準化活動について概観する。
12:00 - 12:30 エクサスケール時代のFortranの役割
理化学研究所計算科学研究機構
佐藤三久
12:30 - 13:30 昼 食
13:30 - 14:00 航空宇宙技術研究所から宇宙航空研究開発機構にかけてのソフトウエア開発について
埼玉工業大学工学部情報システム学科・非常勤講師
中村孝
14:00 - 14:30 核融合プラズマ・シミュレーションでのFortranの活用
名古屋大学大学院理学研究科・教授
渡邉智彦
14:30 - 15:00 大学のSX利用者から見たFortranプログラミング
大阪大学レーザーエネルギー学研究センター・准教授
長友英夫
15:00 - 15:10 休 憩
15:10 - 15:30 富士通のFortranへの取り組み
富士通(株)次世代TC開発本部言語開発統括第2開発部
原口正寿
15:30 - 15:50 NECのFortranへの取り組み
NEC ITプラットフォーム事業部 第四IT基盤統括部
林康晴
15:50 - 16:10 プログラミング言語の進化とFortranの将来
日立製作所研究開発グループ
西山博泰
16:10 - 16:30 インテルのFortranへの取り組み
インテル株式会社ソフトウェア&ソリューションズグループ
堀越将司
16:30 - 16:40 休 憩
16:40 - 17:00 XMP/Fortranの開発状況
理化学研究所計算科学研究機構
村井均
17:00 - 17:30 フリーディスカッション
17:30 - 17:45 閉会
18:00 - 19:30 懇親会(at FOCUS)====