浮動小数点数フォーマット
最近の AI ブームに伴って従来は必要とされなかった半精度実数フォーマットが登場したり、あるいは FPGA の普及で自分なりの実数フォーマットを作ろうという動きがでています。これからますます浮動小数点数界が騒がしくなると思われます。
以前、並列計算のグスタフソンの法則で有名なグスタフソンが新しい浮動小数点数フォーマットを提案し、IEEE754 のカーンが批判しているということを書きました。
fortran66.hatenablog.com
ここにきて、第三の人物が乱入してきた模様です。
ひと月ばかり前に incide HPC の記事で、浮動小数点数の問題を解決したという見出しが出たので、またグスタフソンかと思ったら別人のアラン・ヨルゲンセン(Alan Jorgensen)氏が何か特許を取ったとという記事でした。しかし図はグスタフソンのパクリっぽい見たことあるようなもので、どういうことか?と思う記事でした。早速コメント欄にグスタフソン本人が登場して腐していました。
グスタフソンは、自分は特許を取らないからオープンソースで自由に使ってくれと言っていましたが、ちゃっかり特許を取られてしまっているように見えました。
insidehpc.com
その後、すっかり忘れていましたが、HPCwire 日本語版に補足付きの記事の翻訳が出ておりました。
www.hpcwire.jpwww.hpcwire.com
いつのまにか元々の記事のコメント欄も伸びていて、ヨルゲンセンも登場して、自説を述べたサイトのリンクを張っておりました。
BFP
論駁ページは、パスカルの引用で始まり、カントの引用で終わる厄介感でみなぎっています。
ヨルゲンセン先生は、ネバダ大学ラスベガス校で教えているとのことで、モンテカルロ法で学生もウキウキかと思いきや、鬼仏表サイトによると、先生の評価は甚だ芳しくなく、その理由の一つが、教えてるコンピュータ言語がTA諸君も誰一人知らない古臭い言語 Fortran95 であるためのようです。大草原不可避。
Alan Jorgensen at University of Nevada Las Vegas - RateMyProfessors.com

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