fortran66のブログ

fortran について書きます。

【メモ帳】Jack Dongarra の講義

Adaptive Linear Solvers

冒頭で EISPACK, LINPACK 以来の歴史のまとめをしているので勉強になります。しかしこの道統もついに実装言語が C++ に取って替わられたことが気になります。まぁ EISPACK も ALGOL からの移植ですけど。

計算資源のアイドル時間を減らすという観点で、ベクトル、キャッシュあたりまでは Fortran で行けるが、MPI や GPU を跨ぐ大域スケジューリングには C++ が必要ということでしょうか?もう一回ハードウェアのアーキテクチャを変えて、Fortran の炎の光を伝燈してゆきたいところです。

どちらかというと不揮発高速メモリーがさらにデータ階層の段数を増やして、スケジューリングをますます重要にする方向に逆行していますがw 多分人間の能力を超えるので機械に任せるようになって言語はどうでもよくなる気もします。

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学部生か院生の講義でしょうか?出席者は若くまばらです。

2019年版 www.youtube.com

2018年版 www.youtube.com

基本的な内容は変わりませんが、変化を楽しむのも一興かと思います。16 bit 浮動小数点数に、IEEE754 に逆らう Google のフォーマットが加わったことも気になります。IEEEの半精度はダイナミックレンジの足りなさが問題だったようですが、概数計算をする分には仮数部を減らして指数部を増やしてダイナミックレンジを上げる方が有益なようです。IEEE のフォーマットも、グスタフソンが言うように CG 業界からの要請で出来たのだとすれば、その目的には足りていたのかもしれませんが・・・ そろそろ FPGA 勢が数値フォーマットを乱造してくれるとワクワクします。

モリーのバンド幅が律速になっている以上、Exa Flops を実現するという政治公約達成のためには、倍精度から単精度、半精度と降りてゆくのが即効で、丸八真綿の如く二倍、二倍になるのでキモな気もします。

ジャック・ドンガラという名を聞くと、国松様のお通りだを思い出します。ドンガラはなんとなく中国に甘い気がするのですが気のせいかな。 


国松さまのお通りだい オープニング・エンディング

Matrix Eigensystem Routines - EISPACK Guide Extension (Lecture Notes in Computer Science)

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LAPACK/BLAS入門

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LAPACK利用の手引―行列計算パッケージ

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