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メモ帳:Gustafson の浮動小数点数

浮動小数点数は実数の近似ですが、結合則や分配則が成り立たないなど、実数の性質を満たしません。そのため実数を前提とした等価な数式変形が同じ結果を与えないことがあり、等価な数式表現の内、一番適切なものを選ぶ必要があります。

土曜の午後の徒然に、結合則とかどうにかならんのかな?と浮動小数点数についてちょっと調べてみたところ、並列計算のグスタフソンの法則で有名な Gustafson が新しいフォーマットを提唱していることが分かりました。 Gustafson によると彼の新しい浮動小数点数フォーマットによれば、結合則も成り立ち様々な問題が解決するとのことです。
Dr. John L. Gustafson: Gustafson's Law

The End of Error: Unum Computing (Chapman & Hall/CRC Computational Science)

The End of Error: Unum Computing (Chapman & Hall/CRC Computational Science)

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かつては浮動小数点数といえば、各ベンダー・各機種毎に様々な フォーマット がありましたが、西暦1990年代中葉以降に Kahan が取りまとめた IEEE754 形式にほぼ一統されてゆきました。

もう少し調べてみると、Kahan が Gustafson にくそみそに 駄目出ししているようでした。
Prof. W. Kahan's web pages
Commentary on “THE END of ERROR — Unum Computing”
https://people.eecs.berkeley.edu/~wkahan/EndErErs.pdf
新しめの Kahan の書きものをみると、怒れる老人的な細かさとしつこさと力強さと~♪がある気がしますw

ふたりの直接対決w
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さらに調べてみると、Gustafson はシンガポール国立大に職を得て、新たなフォーマットを付け加えているようです。
Youtube講演。(unum type1 → unum type2 → posit)

早口で話しています。後半 Julia による実演があります。
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落ち着いて話しています。
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Gustafson の問題提起などはとても納得のいくものですが、ちょっと見聞きしただけでは、これが良い解答なのかどうかは私の無知浅学では全く判断がつきません。