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Young図

ヤング図のYoungは人名。19世紀英人英国国教会牧師。

ヤング図(Young diagram)は空のマスを並べたもの。中に数字が入ったものはヤング盤(Young Tableau)。Tableau の複数形は Tablaux。ヤング図はフェラーズ盤ともいう。

ヤング図は整数の分割を表す。各整数毎の可能な分割の総数は漸化式で簡単に求められる。

n個のマスを持つヤング図に、1からnまでの整数を、左から右に増加、上から下に増加の条件のもとで置いたものを、標準ヤング盤という。標準ヤング盤は対称群置換群)の類および規約表現を表す。可能な規約表現の数は Hook図(鉤図)によって求められる。置換群の群表はMurnagham(マーナハン)・中山の公式により簡単に求められる。多項式による規約表現は Specht(シュペヒト)多項式により求まる。

n個のマスを持つヤング図に、1からmまでの整数を(重複してよいとして)、左から右に弱く増加(=<)、上から下に増加(<)の条件のもとで置いたものを半標準ヤング盤という。半標準ヤング盤は、Schur(シューア)関数に対応する。Schur関数は対称式の完全系になっている。

またSchur関数は、線形変換GL(n)のテンソル積からつくった線形変換GL(m)の指標になっている。(不変式になっている。)従ってSchur関数の積からテンソル積を求められる。Schur関数は一般線形群の規約表現のすべては尽くしていないが、その部分群であるユニタリー群の規約表現は網羅している。それらはヤング図から求めることができる。

ユニタリー群の部分群である回転群も、Schur関数によりテンソル積等を求めることができる。シンプレクティック群はユニタリー群の部分群ではないがその規約表現もSchur関数で全て網羅される(たぶんw)。

Schur関数による方法では、Cartan-Weyl流のルート図による求め方と違って、すべての群と次数で規約表現の次元・積・Branching等が統一的に代数的に求められる。