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イアンブリコス

イアンブリコス『ピタゴラス伝』が、西洋古典叢書から『ピタゴラス的生き方』という題で出てました。旧訳のアレキサンドリア叢書の方は中古価格が8万円まで値上がり、うはw
昔本屋で買おうとしたけど、背表紙が日焼けしていたから今度にしようとして、次に買いに行った時は、本棚配置換えされてアレキサンドリア叢書がシリーズごと在庫整理されて消えていた悲しい思い出。

同じアレキサンドリア叢書の『ルキアノス選集』は面白いです。普通に現代の滑稽短編小説として読めます。ヘレニズム・帝政ローマ時代は、ギリシア語圏の方が頭よくて、ラテン語圏は低レベルとされてますが、小説に関しては、ギリシア語小説はハーレークイーンロマンス的でつまんなくて、ラテン語小説の方が構成も入れ子状だったり複雑でレベルが高く話も面白いです。

支那では、小説は下等な戯言とされたために、詰まらないですが、唐代の小説とギリシア語小説は同レベルのつまらなさであるところをみると、ギリシア語圏でも小説は軽んじられて碌な作家がいなかったのかもしれない・・・と、邪推。
(死んだようになる薬で、あとから生き返るという筋立てが、ギリシア語小説にも支那唐小説にもある。)