fortran66のブログ

fortran について書きます。

DIM関数

FortranにはDIM関数という2引数の関数があります。その定義は

DIM(x,y)=x-MIN(x,y)

です。

この関数が何故 DIM という名前なのか、ずっと謎だったのですが、1958年発行の IBM の "Reference Manual FORTRAN II for the IBM 704 Data Processing System" を読んでいて、語源を発見しました。11頁に Intrinsic 関数の例として DIM 関数が出ており、Diminishing という機能で説明されておりました。

FORTRAN I のマニュアルはフランス語版しか見つけられなかったのですが、それを見る限りでは、DIM 関数はまだ無かったようです。つまり DIM 関数は FORTRAN II で新たに導入された関数のようです。

また 1961年発行の IBM の "Reference Manual 709/7090 FORTRAN Programming System" では DIM 関数は Positive Difference の関数とされていて、すでに語源を見失っています。同様に ANSI FORTRAN66 の規格書を見ても DIM 関数は Positive Difference を意味するとされており語源を推測することが出来ません。

ところで私は今までこの DIM 関数というものを一度も使ったことがありません。不勉強のせいか何に使うのかいまひとつ分かりません。

なお、昔の Fortran のマニュアルの類は Computer History Museum サイトの Fortran Archive Collection で見ることが出来ます。