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列子の思想とグノーシス主義の類似点

狩野直喜『中国哲学史』第三編第四章第二款「列子の学説」より

第一は、宇宙論に於いて宇宙の根本原理より森羅万象が分出する有様を説くことが老子よりも精密である。
第二は、老子の学説に於いても精神と肉体とを分かつけれども、其の区別は頗る明瞭を欠いて居る。列子はこれを明らかにし、肉体には生死あれども精神には生死といふものが無いとすること、又、人が生を楽しみ死を疾むけれども、それは生に執着し精神に生死なきを知らぬに由るとすること。
第三は、其の厭世的世界観よりして、常住安楽の境界を見出さんことを務めたこと等である。

1.流出説的宇宙論
2.霊魂の不滅、肉体は入れ物
3.現世否定、知識による解脱

といった、古代地中海世界におけるグノーシス主義に似た思想がある。
両方とも源泉を辿れば仏教か、もしくは釈迦がアイデアを得た原仏教か。と無責任に邪推。仏教とオルフェウス教の類似について、共通の源泉があるのではとも思われるが、根拠は無いw